2023.04.18
【顧問先チーム契約満了】
『感謝の18年』/担当:鬼頭祐介
2023年4月17日をもちまして、清真学園高校(中学)ラグビー部のトレーニング指導契約を満了致しました。
まずは、2005年3月より18年間、誠にありがとうございました。
清真学園は、私、鬼頭がプロの指導者としてのキャリアをスタートさせた最初のチームでした。
(正確には、当時、早稲田大学を卒業し、同年4月より同大学院に進学した為、本当の意味での「プロ」と呼べるのは2007年4月以降になりますが…。)
当初、清真の監督をされていた渡辺監督から私の上司である大道へ指導の依頼があり、私は助手の立場で携わるところからのスタートでした。
大学までは野球を専門競技としてやってきた中で、初めて携わるラグビーという競技。
どのようにプログラムを組み、トレーニングを教えるか、上司に付きながらまさにOn the jobで習い経験を積みながら、週1回現場に足を運んでいました。
当初は、毎回、不安な気持ちや緊張感を抱えながら、事前の準備(何を話すか,どう教えるかなど)をし、事後の報告•反省をしながらの日々だったことを今も思い出します。
そして、1年経ち、2年経ち、3年目の途中から、完全に担当を任される形となりました。
そこから1年1年、我々に限らず、多くのトレーニング指導者,トレーナーがそうであるように、単年契約を繰り返し更新する形で、結果的に18年の月日が流れていました。
18年というと、今の高校3年生が生まれてから今日に至るまでの年月です。
監督も渡辺先生から、和田先生(現監督)に代わり、それでもなお声をかけ続けて頂きました。
18年間、チームの特筆すべき戦績は、以下の通りです。
2007年 東日本大会優勝(中学)
2010年 全国選抜大会出場
2011年 全国大会(花園)出場(8年ぶり8回目)
2011年以前に、7度の花園出場実績がある清真学園のようなチームにあって、この間の成績は、低迷と言われても仕方ないものです。
トレーニング指導者がチームを勝たせるなどというのは、いかに不遜な考えであるかということはこの18年の経験で会得しました。
ただ、チームがトレーニング指導者と契約をするのは、チームを強化する為であり、少なからずチームの勝ちに結びつけたいという思いがあるということも事実です。
そういう観点から言えば、とっくに契約を切られていてもおかしくなかったかと思います。
しかしながら、私の師である田内•大道が作った「ストレングス工房」という後ろ盾とトレーニングのノウハウ、そして鬼頭祐介という人間に何かしらの付加価値のようなものを感じて頂き、徐々に信頼を得ながら、関係を続けてこられたのではないかと思っています。
今の私がどのレベルの指導者か分かりませんが、少なくとも過去の私を振り返ると、経験も実力もない中で、反省すべき言動や恥ずかしい言動が多々ありました。
チームのことを振り返れば、花園を決めたケーズデンキでのその瞬間、花園のメイングラウンドでの國學院久我山との試合など、歓喜の思い出もあります。
しかしながら、強く印象に残るのは負けた試合です。
最初は、2007年。関東大会,国体予選とライバル茗溪学園に連勝し、いよいよ花園かと誰もが思った年、花園予選決勝では0-31のシャットアウト負け。
この時、携わってすぐに花園に行ける!と思っていた自分の甘さを恥じました。
次は、2010年。花園予選準決勝。結果的に、決勝も勝って花園を決めた常総学院に、10-14で敗戦。雨の中、ラストワンプレーでモールを押し切れず、無念のホイッスル。
この時、勝てないのは自分のせいなのでは?上司が携わっていたら、こんな負け方はしないのでは?と何度もベクトルを自分に向け、悔しくて泣きました。
18年という年月を過ごしたチームで、エピソードを挙げればキリがありません。
それほどまでに多くの経験をさせてもらいました。
勝つ喜び、負ける悔しさはもちろんのこと、チーム強化に参画するということ、選手との関係、監督•コーチをはじめ、各スタッフとの関係など。
清真学園というチームに携わり、若い時期に失敗や多くの負けを経験させてもらいながらも続けさせてもらえたからこそ、今の私があると思っています。まさに、原点といえるチームでした。
「継続は力なり」
渡辺先生(現総監督)が掲げる部訓ですが、これこそまさに私に当てはまる言葉です。
指導者としてまだ道半ばではありますが、18年継続できたからこそ、間違いなく当初よりも力がついていることを感じています。
本来、選手やチームの力になり、教え,与える立場である私ですが、逆に多くのことを教わり,与えられたと思っています。
最後になりましたが、改めまして、18年間ありがとうございました。
先生方、スタッフの皆さま、そして現役選手はじめOB,OG選手、その選手を支える父母の皆さま、本当にありがとうございました。
清真学園が、今年、悲願の花園出場を達成し、さらに今後もチームが益々発展し、好成績をおさめていくことを心より祈念致します。
指導者としてのキャリアはまだ続きますが、心に刻まれるチームでした。感謝!
JPFストレングス工房 鬼頭祐介